築20年の家に本当に必要なリフォーム箇所ランキングTOP5【専門解説つき】

―― 効果のメカニズムから考える、後悔しない住宅メンテナンスとは ――
記事の目次
はじめに 築20年は『住める』から『守る』への転換期
「うちは築20年だけど、まだ何も壊れてないし大丈夫」 ――そんなふうに思っている方も多いかもしれません。
実は、“目に見えるトラブルがない”=“劣化していない”とは限りません。
例えば、壁の裏にある配管が、静かにひび割れているかもしれません。 屋根の下で、防水シートが寿命を迎えているかもしれません。 床下で、湿気と戦い続けてきた木材が、力を失っているかもしれません。
20年という時間は、見た目にはわからない“家の内部の老化”を着実に進めています。
それはまるで人間の健康診断。 見た目は元気でも、内側では静かに不調が進行している。
家もまた、“健康状態”を定期的に診る必要があるのです。
本記事では、
- なぜ築20年が住宅の“メンテナンス転換点”なのか
- どの部位から優先して対処すべきか
- 放置するとどんなリスクがあるのか を、専門的な視点と図表を交えながら、深掘りしてお伝えします。
住まいを守る判断力を、この記事で身につけてください。。
第1位:屋根(防水層の寿命・葺き替えと塗装の判断)
屋根は「家を守る最後の砦」です。
風雨、雪、紫外線、台風、積雪、熱…屋根は24時間365日、外的ストレスと戦い続けています。
しかし築20年という年数は、その屋根の“防水性能”が限界に達しはじめるタイミング。 特に「防水シート(ルーフィング)」の劣化は、雨漏りの直接原因になります。
屋根が劣化すると、どんなリスクがあるのか?
雨漏りが発生(最初は天井裏から、やがて室内に)
野地板が腐る(屋根材を支える下地が崩壊)
断熱材が濡れ、効果を失う(光熱費UP)
柱や梁にまで腐食が広がる(構造体の損傷)
このように、屋根の老朽化は「表面だけの問題」ではなく、家全体の劣化を引き起こす火種になります。
▼ 屋根材とメンテナンスサイクル
| 屋根材 | 耐用年数 | メンテナンス内容 |
|---|---|---|
| スレート瓦 | 20〜25年 | 再塗装またはカバー工法 |
| 金属屋根(ガルバ) | 20〜30年 | 再塗装またはカバー工法 |
| 瓦屋根(陶器瓦) | 40〜60年 | 漆喰補修・一部葺き替え |
| アスファルトシングル | 15〜20年 | 再塗装または貼替え |
定期的な点検と、劣化状況に応じた「塗装」「カバー工法」「葺き替え」などの判断が必要です。
外壁は「家の顔」であり、「家の皮膚」でもあります。
第2位:外壁(塗膜の劣化・サイディング材とモルタルの違い)
築20年ともなると、表面の塗膜は紫外線によって粉化(チョーキング)し、撥水性を失っています。 そこに雨風が繰り返し当たることで、外壁材自体が水を吸い込みはじめるのです。
塗膜の剥がれを放置すると、
- 外壁材にひび割れが起きる
- 内部の断熱材まで湿気が到達する
- 雨水が染み込み、カビや腐食の原因に といったリスクが増大します。
特に「窯業系サイディング」は、防水性を塗膜に依存しているため、再塗装のタイミングを逃すと非常に脆いのです。
一方、モルタル壁はヘアクラック(髪の毛のような細いひび)からも水が侵入します。
▼ 塗料の種類と特徴
| 塗料 | 耐久年数 | 特徴 |
|---|---|---|
| ウレタン | 5〜7年 | 安価・柔らかく汚れやすい |
| シリコン | 8〜12年 | バランス良好・コスパ◎ |
| フッ素 | 15〜20年 | 高耐久・耐候性に優れる |
| 無機塗料 | 20〜25年 | 超高耐久・紫外線に非常に強い |
美観だけでなく、防水性・断熱性・防カビ・耐汚染性など、目的に合わせた塗料選びが重要です。
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第3位:床下・土台(防蟻処理と腐朽菌の進行)
床下は「家の基礎を支える縁の下の力持ち」。 しかし、最も見落とされやすく、最も深刻な劣化が起きやすい場所でもあります。
築20年という年数は、新築時の防蟻処理(シロアリ対策)の効果が完全に切れているタイミング。 加えて、湿気・雨水・結露・配管からの微細な水漏れにより、木材が腐りやすい環境になっている可能性もあります。
特に注意したいのが「土台」。 これは建物の荷重を支える最下部の構造材で、ここが腐ると、建物全体が傾くリスクすらあるのです。
床下点検は、専門家でなければ入れない領域でもあります。 だからこそ、定期的なプロの点検が命綱になります。
第4位:水回り(配管素材の耐久性と機器更新タイミング)
水回りは「住まいのライフライン」。 見えないところで静かに劣化し、ある日突然、大きなトラブルになります。
築20年を超えると、
- 鉄管が錆びて内部に穴が開く
- 接続部から微細な水漏れが始まる
- キッチン下や浴室の床下が湿気を帯びる といった現象が起きやすくなります。
また、設備機器そのものも、
- 節水性が低い
- 掃除がしづらい
- 経年劣化で異臭がする などの問題が出始めます。
▼ 配管素材と耐用年数
| 配管素材 | 耐用年数 | 劣化リスク |
|---|---|---|
| 銅管 | 15〜20年 | ピンホール腐食 |
| 鉄管(亜鉛メッキ鋼管) | 20〜30年 | 赤錆・詰まり |
| 塩ビ管(VP/VU) | 30〜40年 | 地震で割れやすい |
| 架橋ポリエチレン管 | 40年以上 | 接続部の緩みが弱点 |
水まわりは「気づいた時には手遅れ」になりやすいため、予防的な点検と更新が鍵となります。
第5位:窓・断熱(断熱等性能等級と気密性能の再評価)
「冬は寒いし、夏はエアコンが効きにくい」 そんな悩みを抱えている築20年超の家は多いはずです。
実はこれ、“壁”ではなく“窓”が原因であることが大半です。
窓は住宅の熱損失の「約6割」を占めるとも言われています。 つまり、窓を変えるだけで、住環境は劇的に改善するのです。
断熱リフォームは、
- 光熱費の削減
- 結露の抑制
- ヒートショック対策 など、命と健康を守るリフォームにもつながります。
▼ 窓ガラスの種類と断熱性能
| 窓ガラス種類 | 断熱性能 | 特徴 |
|---|---|---|
| 単板ガラス(1枚) | 低い | 安価・結露しやすい |
| 複層ガラス(ペアガラス) | 中程度 | 基本的な断熱性・結露軽減 |
| Low-E複層ガラス | 高い | 遮熱・断熱効果◎・紫外線カット |
| トリプルガラス | 非常に高い | 寒冷地向き・断熱最高・重くて高価 |
断熱リフォームは補助金対象になりやすく、自己負担を抑えて実施できる点も魅力です。
まとめ:家を長持ちさせる人は、「見えない劣化」に気づける人
築20年というのは、「家の不調が表面化し始める」前の最後のタイミングです。
まだ大丈夫。 そう思っていた家が、ある日突然、
- 雨漏り
- 壁の崩れ
- 床の沈み
- 水漏れ などの症状を出し、数百万単位の出費を迫られる。
そんなケースを、私たちは何度も見てきました。
家は放置すると、想像以上に早く老いていきます。
だからこそ、“問題が起こる前に”点検し、必要なリフォームを「適切な順番」で行うことが重要なのです。
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