横浜市青葉区H様邸の外壁・屋根塗装工事より、今回はいよいよ塗料を塗っていく工程をご紹介します。高圧洗浄で下地を整え、目地のシーリングを打ち替えたあと、外壁、付帯部、屋根の順に塗り重ねていきました。外壁塗装のご検討をされている方から「三回塗りと聞くけれど、それぞれ何が違うのか」というご質問をよくいただきます。実際の現場写真とあわせて、一回ごとの役割の違いを解説していきます。
記事の目次
塗装が三回塗りを基本とする理由
下塗りが担っている役割
塗装の一回目にあたる下塗りは、色を付けるための工程ではありません。役割は大きく二つあります。ひとつは、劣化して塗料を吸い込みやすくなった下地に染み込み、表面を固めて整えること。もうひとつは、下地とこれから塗る仕上げ塗料とを密着させる接着層になることです。下塗り材は白や透明に近い色をしていることが多く、塗った直後は仕上がりの想像がつきにくいのですが、この層があるかないかで塗膜の寿命はまったく変わります。下地の状態によって使い分ける材料も変わり、傷みの激しい面には吸い込みを抑える下塗り材を選ぶといった判断が必要になります。
中塗りと上塗りを二回に分ける理由
中塗りと上塗りには、基本的に同じ仕上げ塗料を使います。それならば一度に厚く塗ればよいのでは、と思われるかもしれませんが、一度に厚塗りをすると表面だけが先に乾いて内部に溶剤が残り、乾燥後に縮みやひび割れ、垂れが発生してしまいます。二回に分けて塗り重ねることで、塗料が本来の性能を発揮できる規定の膜厚を、均一な状態で確保できるのです。また一回目で塗り残しやかすれがあっても、二回目で確実に覆うことができるため、仕上がりのムラを防ぐ意味もあります。
工程ごとの乾燥時間を守ること
三回塗りで見落とされがちなのが、工程と工程のあいだの乾燥時間です。塗料にはそれぞれ、次の工程に進むまでに必要な時間が定められています。工期を縮めようとしてこの時間を守らずに塗り重ねると、下の層が乾ききらないまま閉じ込められ、膨れや剥がれの原因になります。H様邸でも、外壁は下塗りから上塗りまでを数日かけ、あいだに付帯部の塗装を挟みながら、それぞれの層を十分に乾かして進めました。
外壁の塗装工程
外壁の下塗り
養生とシーリングを終えた外壁から塗装に入ります。写真は下塗りの様子です。サイディングの凹凸に沿ってローラーを転がし、模様の谷の部分にも塗料が行き渡るように塗っていきます。ローラーだけでは届かない入隅やサッシまわりは、刷毛を使って先に塗る「ダメ込み」という作業を行ってから、面をローラーで仕上げるのが基本の流れです。下塗りの段階で塗り残しがあると、その部分だけ上塗りの密着が弱くなるため、光の当たり方を変えながら確認して進めます。

外壁の中塗り
下塗りが乾いたら中塗りに移ります。ここから仕上げの色が乗っていきます。H様邸の外壁は白系の落ち着いた色でのお仕上げとなりました。既存の外壁も白系だったため一見すると変化が分かりにくいのですが、実際には劣化して粉を吹いていた表面が、艶のある新しい塗膜に置き換わっています。ローラーは一定の方向に、前に塗った部分と重ねながら動かしていきます。重ね幅が足りないと乾いたときに筋が見えてしまうため、職人が全体のリズムを保ちながら塗り進めるところです。

外壁の上塗り
中塗りが十分に乾いたことを確認して、仕上げの上塗りです。使う塗料は中塗りと同じですが、この一回で膜厚が規定に達し、紫外線や雨風から外壁材を守る保護層が完成します。上塗りは最終的に人の目に触れる面になるため、塗り継ぎの跡が残らないよう、壁の一面を途中で止めずに塗り切ることを心がけています。塗り終えた壁は、写真のように均一な艶が出て、模様の凹凸がくっきりと際立つ仕上がりになりました。

屋根の塗装工程
屋根の下塗り
外壁と付帯部の塗装を終えたあと、最後に屋根へ移ります。写真は屋根の下塗りの様子です。色あせた赤茶色のスレート屋根に、下塗り材をローラーで塗り込んでいます。屋根材は外壁以上に紫外線を浴びて表面が脆くなっており、塗料を吸い込みやすい状態です。そのため下塗り材が屋根材に染み込んで固める役割は、外壁の場合よりもさらに重要になります。写真でも、下塗り材が塗られた部分と未施工の部分で、表面の濡れ色の出方が違っているのが分かります。

屋根の上塗りと仕上がり
下塗り、中塗りと重ねたあと、仕上げの上塗りを行います。H様邸の屋根は、既存の赤茶色から濃紺系の落ち着いた色へと塗り替えました。写真は上塗りの途中で、塗った部分と塗る前の部分がはっきりと分かれている場面です。屋根は勾配があるため、職人は常に不安定な姿勢での作業になります。塗り残しが出やすい屋根材の重なり部分や、棟板金との取り合いも一枚ずつ確認しながら塗り進めました。足場を解体する前の完了時の写真では、屋根全体が均一な色に整い、外壁の白との対比がはっきりした外観になっています。


よくあるご質問
中塗りと上塗りは同じ塗料でいいのですか
はい、仕上げ塗料は同じものを二回塗り重ねるのが一般的です。大切なのは種類を変えることではなく、規定の量をきちんと二回に分けて塗ることです。逆に、下塗りだけは下地の状態に合わせて別の材料を選びます。お見積書を見るときは、下塗り・中塗り・上塗りがそれぞれ項目として分かれているか、塗る面積とあわせて記載されているかを確認されるとよいと思います。
屋根と外壁を別々の時期に塗ってもいいですか
施工そのものは可能です。ただし、どちらの工事にも足場が必要になるため、別々に行うと足場の設置と解体を二度行うことになります。同時に施工すれば足場は一度で済み、工期も短縮できます。今回のH様邸のように、外壁、付帯部、屋根をまとめて一度の足場で仕上げるほうが、全体としては効率的です。
塗り替えの目安はどのくらいですか
前回の塗装からおよそ十年前後が一般的な目安とされていますが、立地や日当たりによって差があります。壁を手で触ったときに白い粉が付く、屋根の色が全体的にくすんで艶がなくなっている、目地のシーリングにひび割れが見えるといった症状が出ていれば、年数にかかわらず一度確認されることをおすすめします。
まとめ
今回の工事のポイント
横浜市青葉区H様邸では、高圧洗浄、養生、シーリングの打ち替えを経て、外壁の下塗りから上塗り、付帯部の塗装、そして屋根の下塗りから上塗りまでを順に施工し、足場の設置から解体までおよそ三週間で完了しました。外壁は白系、屋根は濃紺系という配色で、汚れの目立ちにくさと外観の引き締まりを両立させた仕上がりです。どの工程も、下地づくりと乾燥時間を守るという基本の積み重ねの上に成り立っています。
点検・お見積りは無料です
住マ居ル建装では、屋根の上まで実際に上がって状態を確認し、写真をお見せしながら現状をご説明しています。塗り替えが本当に必要な時期なのか、部分的な補修で足りるのかも含めて正直にお伝えしますので、まだ検討段階という方もご遠慮なくお声かけください。点検・お見積りは無料で承っております。
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