先日、横浜市青葉区にお住まいのH様邸にて、屋根・外壁の塗装工事を行いました。今回のブログでは、その一番はじめの工程である「高圧洗浄」の様子をご紹介します。塗装工事というと塗料を塗る場面ばかりが注目されがちですが、実は仕上がりと耐久性を大きく左右しているのが、この洗浄という下地づくりの工程です。普段はあまり語られない部分だからこそ、実際の現場写真とあわせて詳しくお伝えしていきます。
記事の目次
塗装工事が「洗うこと」から始まる理由
塗料は汚れの上には密着しない
外壁や屋根の表面には、長年のうちに砂ぼこり、排気ガスの油分、カビ、コケ、藻、そして古い塗膜が粉状になった「チョーキング(白亜化)」の粉が層になって付着しています。これらは見た目には目立たないこともありますが、指で触れると白い粉が付いたり、うっすらと緑がかっていたりする形で現れます。塗料は本来、下地にしっかり食いつくことで塗膜を形成しますが、この汚れの層が残ったまま塗ってしまうと、塗料は下地ではなく「汚れの上」に乗ることになります。汚れごと塗膜が浮いてしまうため、数年も経たないうちに剥がれや膨れが発生してしまうのです。
高圧洗浄で落としているもの
高圧洗浄機は、家庭用のものとは比較にならない水圧で水を噴射し、こびりついた汚れを物理的に削ぎ落としていきます。落とす対象は大きく分けて、コケ・藻・カビといった生物的な汚れ、砂ぼこりや排気ガスなどの外的な汚れ、そして劣化して脆くなった旧塗膜の三つです。特に旧塗膜は厄介で、指で擦ると剥がれてしまうような状態のものが残っていると、そこが新しい塗膜の弱点になります。高圧の水をあてて「落ちるものは全部落としきる」ことで、はじめて健全な下地が現れます。
洗浄を省くとどうなるのか
塗装工事の見積書を比べたときに、高圧洗浄の有無や日数に差が出ることがあります。洗浄は一日で終わる工程のため軽く見られがちですが、ここを省略したり、駆け足で済ませたりすると、どれだけ高価な塗料を使っても本来の性能は発揮されません。数年で塗膜が剥がれ、結局もう一度足場を組んで塗り直すことになれば、かかる費用も手間も倍になってしまいます。私たちが洗浄に時間をかけるのは、そうした将来の負担をお客様に負わせないためです。
横浜市青葉区H様邸の施工前の状態
屋根に見られた色あせと汚れの蓄積
H様邸の屋根はスレート系の屋根材で、施工前は全体的に赤茶色が沈み、艶が失われた状態でした。特に北面や谷部といった日当たりが悪く水はけの滞りやすい箇所には、黒ずみや苔の生え始めが見られました。屋根は建物の中でも最も紫外線と雨風を受け続ける部位のため、外壁よりも早く劣化が進みます。地上からは見えにくい場所ですが、足場を組んで上がってみるとその差は歴然です。

外壁・軒天・付帯部の汚れ
外壁はサイディングボードで、目地のシーリング(コーキング)の劣化とあわせて、表面には全体的に汚れが回っていました。屋根ほど劣化は激しくないものの、手で触れるとチョーキングの粉が付く状態です。また見落とされがちなのが軒天(のきてん)や換気フード、雨樋といった付帯部です。こうした部分は雨が直接あたらないぶん汚れが「洗い流されずに溜まる」ため、かえって黒ずみが目立つことがあります。
実際の高圧洗浄作業
屋根の洗浄
作業は足場を設置した翌々日から開始しました。まずは屋根からです。上から下へ、高いところから順に洗っていくのが鉄則で、後から上を洗うと洗浄済みの下部が再び汚れてしまうためです。屋根材は一枚一枚が重なり合う構造になっているため、その重なりの隙間に溜まった土や苔を、ノズルの角度を変えながら丁寧に流し出していきます。ノズルを近づけすぎると屋根材そのものを傷めてしまうため、劣化の程度を見ながら距離と水圧を調整するのが職人の腕の見せどころです。

外壁・軒天・付帯部の洗浄
屋根が終わったら外壁へ移ります。外壁も上から下へ、一面ずつ区切りながら洗っていきます。写真は軒天と換気フードのまわりを洗浄している場面です。頭上に向かって水を噴射する作業になるため、跳ね返りを全身に浴びることになり、防水スーツが欠かせません。細かい部分ほど汚れが溜まっており、また塗装後に汚れが残っていると境目がはっきり見えてしまうため、こうした付帯部こそ手を抜けない箇所です。

洗浄後の乾燥期間
洗浄が終わった屋根は、写真のように色ムラのもとになっていた汚れが落ち、屋根材本来の表情が戻ってきました。ただし、この段階ではまだ塗装はできません。高圧洗浄では大量の水を使うため、屋根材や外壁材が水分を含んだ状態になっています。この水分が残ったまま塗装をしてしまうと、塗膜の内側に水が閉じ込められ、後から膨れや剥がれの原因になります。そのためH様邸でも、洗浄の翌日は養生の作業にあて、下地が十分に乾いてからシーリングと塗装の工程へと進みました。

よくあるご質問
近隣に水しぶきが飛ぶことはありませんか
高圧洗浄では細かい水しぶきが舞うため、何も対策をしなければ隣家に飛散する可能性があります。そのため足場を組む際に建物全体をメッシュシートで覆い、飛散を防いだうえで作業を行います。あわせて、洗浄日の前にはご近隣へご挨拶にうかがい、洗濯物や車についてお声かけをさせていただいています。住宅が密集したエリアでの施工が多いからこそ、この配慮は欠かせないと考えています。
洗浄した当日に塗装できないのはなぜですか
前述のとおり、下地が水分を含んでいるためです。見た目が乾いていても、サイディングやスレートといった建材は内部まで水を吸っています。気温や湿度、日当たりによって変わりますが、一般的には丸一日以上の乾燥時間を取ります。「洗浄の翌日にすぐ塗り始める」という工程になっている場合は、乾燥時間が確保されているかを確認されることをおすすめします。
家庭用の高圧洗浄機で代用できますか
日常のお掃除としてであれば問題ありませんが、塗装前の下地処理としては力不足です。業務用の洗浄機は水圧が大きく異なり、旧塗膜を落とすところまで対応できます。また屋根の上や二階部分は足場なしでは危険が伴いますので、高所の洗浄はご自身では行わないようお願いしています。
まとめ
今回の工事のポイント
横浜市青葉区H様邸では、足場設置のあと高圧洗浄、養生、シーリング、外壁塗装、付帯部塗装、屋根塗装という順序で工事を進め、足場の解体まで約3週間の工期となりました。その最初の一日を占めるのが高圧洗浄です。地味な工程ではありますが、ここでどれだけ下地を整えられたかが、その後に塗る塗料の寿命をそのまま決めていきます。
点検・お見積りは無料です
屋根の色あせや外壁の汚れ、触ると白い粉が付くといった症状は、塗り替えを検討するサインです。住マ居ル建装では、屋根の上まで実際に上がって状態を確認し、写真をお見せしながらご説明しています。点検・お見積りは無料で承っておりますので、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
住マ居ル建装株式会社
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